カズオ・イシグロを読む

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しばらくかかりましたが
遠い山なみの光、以来、いい作家だなあと
思っていたらノーベル賞をとったので
とても嬉しくもあり
大体の作品を読んでみたいと思っていたので
読んだら次を買う、という
やりかたで読みました。

実は私のランキングで
積んであります。
1,2位は 同率です。

夜想曲集だけは短編集。
これもとてもよい作品でした。

充たされざる者
は前半ちょっと我慢がいりましたが
後半になればなるほど面白く
構成や考えが明らかになってくるので
一気に読めました。
大いなる遊戯。
記憶の断片が万華鏡のように
つながり変化して
これは私も演奏するなら
とり入れてみたいと思う
やり方でした。
驚くべきことに
それぞれの作品が別のエッセンスを持っていて
ひとりの作家が果敢に
違う人生に違うアプローチで
迫り、簡単ではない方法で
書かれていると思います。

要するに、一人の人が
これらを書くには相当のエネルギーと変幻自在の
発想が必要だ、しかし
それこそが創作する者には不可欠な
要素なのだと再確認しています。

まだまだ作品を生み出せる年齢で
これからが楽しみです。
しかしゆっくりと待ちます。

音楽のことにもかなり
詳しいと思う表現が
いくつもありました。
なにかを奏でる
ということに結構迫っている
と思いました。
もっともこれは
表現者という意味では
作家も音楽家も同じということかなとも思います。
その場限り、という面では
演奏(ライブ)は特別な側面がありますが。



これを言うとちょっと安もの臭くなるかと
危惧しますが
彼の書き方はアレクサンダーテクニークの
求めていることそのもので

抑制のきいた文章と緻密な表現
なんてよくあとがきなんかに
書かれていますが
文や表現の中に面白さが
あるのであって
話の最後まで
何が言いたかったのか、
などは読み手の感受性の自由になっている
というのが
人間が生きていく中での
リアルさ
に結びついていくので
それが心地いい、だから読む。
といった愉しみがあります。

作品のベースに横たわっているのは
あくまで普遍であり
それを観察しつくして初めて
なにか違う、新しいステップへの試みへと
振り向けることができるのだと思います。










★★★

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by pokapokatempo | 2018-04-09 16:15 | 好きな本 | Comments(0)  

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